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Mac mini(M1,2020)導入記2021・Mac mini編

音楽制作用コンピューター刷新の詳細

· Macと周辺機器

音楽制作用MacをMac Miniへ刷新した。Mac刷新にあたってオーディオインターフェイスも刷新……できなかったが改造はした。同時刷新となると出費が大き過ぎる。それぞれについて詳述していこう。

Mac mini仕様と導入検討

これまで音楽制作専用としてきたMacはMacPro 2012。導入時の詳細はこちらをお読みいただきたい。2012はグラフィックボードの力不足で、すでにOSのアップデートもできない。これまで何度も経験してきたが、アップデート鎖国(ある段階でソフトウェア上の様々なアップデートを一切やめること)で環境を維持できるのはせいぜい数年だ。そしてコンピュータ本体の旬は数年、長くても5年と考える。そのように思い定めると、今回のアップデートは「最高性能のコンピューターをなるべく長く使う」のではなく、「あまり高性能ではないが旬のコンピューターを数年で減価償却する」ことを目指してみた。

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Apple Mac mini(M1,2020)

チップ:Apple M1チップ/4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した8コアCPU/8コアGPU/16コアNeural Engine

メモリ:16GBユニファイドメモリ(カスタマイズ)

ストレージ:1TB SSD(カスタマイズ)

ビデオのサポート:最大2台のディスプレイを同時サポート/Thunderbolt経由で接続した最大6K解像度、60Hzのディスプレイ1台と、HDMI 2.0経由で接続した最大4K解像度、60Hzのディスプレイ1台/Thunderbolt 3デジタルビデオ出力に対応/USB-C経由でDisplayPort出力に標準対応/アダプタ(別売り)を使用したThunderbolt 2、DVI、VGA出力に対応/HDMI 2.0対応ディスプレイへのビデオ出力/1台のディスプレイ(最大4K解像度、60Hz)に対応/DVI出力:HDMI - DVIアダプタ(別売り)を使用

オーディオ:内蔵スピーカー/3.5mmヘッドフォンジャック/マルチチャンネルオーディオ出力に対応するHDMI 2.0ポート

通信機能:Wi-Fi/802.11ax Wi-Fi 6ワイヤレスネットワーク接続/IEEE 802.11a/b/g/n/acに対応

Bluetooth:Bluetooth 5.0ワイヤレステクノロジー

Ethernet:10/100/1000BASE-TギガビットEthernet(RJ-45コネクタ)

サイズと重量:高さ:3.6 cm/幅:19.7 cm/奥行き:19.7 cm/重量:1.2 kg

電力条件と動作環境:電源電圧:100〜240V AC/電源周波数:50Hz〜60Hz(単相)/最大消費電力(連続使用時):150W

動作時温度:10°〜35°C

保管時温度:–40°〜47°C

相対湿度:5%〜90%(結露しないこと)

動作高度:5,000mまでテスト済み

音響性能(標準値):音圧レベル(オペレータポジション):5dBA(アイドル時)

音楽制作に使用するOSとしてMacOSに固執するものではないが、かと言って今さらWin環境を整えるのも莫大な支出と勉強が必要になってしまう。私は音楽を作りたいのであってコンピュータの勉強をしたいわけではない。そこで使い慣れたApple製品からの選択ということになるのだが、どのモデルをどのタイミングで買うか。2012年以降判断が難しい状況が長く続いていた。

刷新にあたって、MacProは高価なので、始めから現行(2019モデル)ではなく、中古のLate2016モデル(いわゆるゴミバケツ)を考えていたが、検討期間中、同時に考慮すべき周辺機材の接続規格の発展速度が非常に速く、また複雑だった。Mac本体の性能はともかく、周辺機材接続性能の劣化によって、2020年にはLate2016はレガシイ化してしまったと言えよう。加えてゴミバケツMacProの熱対策失敗発言が致命傷に。ユーザーの盟友Oも「これ、あんまり良くねーよ」とばっさり。途方に暮れていたまさにその時、M1プロセッサー搭載機がリリースされ始めたのだった。

逡巡している間に、もっとも重要な周辺機材であるオーディオインターフェイスの接続規格も、USB2.0対応の廉価レンジ製品と、Thunderbolt3対応のセミプロ級製品の両極化し、おかげで選択は楽になった(セミプロ級製品の価格レンジは微妙に上昇したので、選択はしやすくなったが買いやすくなったわけではない)。

俯瞰して曉スタジオの制作環境を考えるに、外部DSP処理が必要な高負荷作業はほぼない(だからProtoolsへの移行が進まない)。その割り切りがあると、「M1プロセッサー登場」と「接続規格はUSB2.0とThunderbolt3だけで良い」という条件がそろった今こそMac miniへの移行タイミングだったと言える。当然訊かれると思うので先に言っておく。「MacBook Proも高価である」。以上だ。

Mac miniはApple Online Storeで購入した。有料オプションはメモリとSSDの増量だけ。Mac Proと異なり、Mac miniではあれこれ迷う要素が少なく相談の余地がない。ただし大規模なCPUのアーキテクチャ変更につきものの、アレは走るがコレは走らない的な騒動はある。曉スタジオでもDAW用プラグインの1部がM1ネイティブでは起動できないようだ。Rossetta経由では意味がないので、対応するまでそれらはお預けでも仕方ない。次のエントリーではオーディオインターフェイスについて書く。